花の中3トリオ

　森昌子、桜田淳子、山口百恵の3人が完全に出揃うのは、『スター誕生！※ 』第66回放送からです。それは山口百恵が第5回決戦大会で準優勝する回です。3人のイメージは、太陽の光のようにキラキラと輝く桜田淳子、月の光のようにやわらかくじっくり輝く山口百恵、そして天才歌手ともいうべき森昌子といった感じです。森昌子と桜田淳子は昭和33年、山口百恵は34年生まれで学年が同じために「花の中3トリオ」と呼ばれました。所属プロダクションは三者三様でしたが、連携をとりながら「高3トリオ」まで進むなか、『スター誕生！』は全盛期を迎えます。時代を創り、みんなでスターを育てる取り組みが始まったのです。
　ただし3人揃っての活動は『スター誕生！』以外には少なく、劇映画では『花の高2トリオ・初恋時代』の1作のみ。記録映画として、トリオ解散コンサート『昌子・淳子・百恵　涙の卒業式～出発～』があります。それぞれに多忙を極めながらも、歌謡祭の賞を競い合い、精神的に支え合いながら良好な関係が保たれます。スターとして成長した3人に共通していたのは、最初は付き人がいなかったことです。まず身の回りのことを自分でできるようにし、その上で仕事が増えれば、手が回らなくなるので付き人がつきます。初歩で苦労を知った人は、他人に対する思いやりが生まれます。これこそ「スター誕生」の極意なのでしょう。

※ 昭和46年10月3日から昭和58年9月25日まで日本テレビで放送された、視聴者参加型歌手オーディション番組

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