- 日替わりコラム
Fri
4/16
2021
以前、私がある工場を訪問した際、工場長に新入社員研修の内容を尋ねました。すると、「早く仕事を覚えてもらうために、商品知識、製造工程の流れ、機械設備の操作方法、クレーム処理と改善方法、コミュニケーション能力の向上等々たくさんあります」という返事が返ってきました。はたして、それでよいのでしょうか。
工場内で働いているのは「人」です。その「人」に焦点を当てると、何が重要であり、優先すべきかがわかってきます。最も重要で優先すべきなのは、何よりも「安全」です。会社や工場には従業員の命を守るという大きな責任があり、上司は部下の安全を守らなければなりません。従業員が日々安全に仕事をしているからこそ、良い製品が生まれます。
新入社員には、家族もいます。もし事故を起こしてしまったら、家族の方を悲しませることになります。場合によっては、その悲しみは一生続くことになります。商品知識や製造工程の流れなどよりも、まず最初にしっかりとした安全研修を行うことで、新入社員もこの会社は愛情をもって自分たちを迎えてくれていると感じるでしょう。そして入社してよかったと思い、やがて愛社精神も芽生えるのではないでしょうか。
従業員の安全を重視することは、結果として、働く人たちのモチベーションアップや企業としての良品製造につながるのです。
教育アドバイザー星森 一
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