- 日替わりコラム
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7/5
2021
SDGsの「ゴール2」は、「2030年までに飢餓をなくすこと」です。世界の飢餓人口は約6億9000万人(2020年現在)で、世界人口の9%(11人に1人)に相当します。世界の飢餓人口は2014年から増加し、干ばつなどの気候変動のほかコロナ禍によっても飢える人が増えています。前回のゴール1「貧困」と同様、途上国だけの問題ではなく、先進国でも増える傾向にあります。
大事な点は、「飢餓は食料が足りないから起きるのではない」ことです。世界では約40億tの食糧・食品が生産されていますが、このうちの3分の1に当たる13億tが「食品ロス」として廃棄されています。日本での食品ロスは612万tで、これは世界規模での食料支援の量(380万t)を大きく上回ります。最近はメディアでも「食品ロス」を防ぐ取組みが多く紹介されており、賞味期限が迫った商品を安く販売したり、児童養護施設や貧困家庭に配ったりする事例も増えてきました。
生ごみの多くは地域のごみ処理場で焼却されますが、生ごみは多量の水分を含むので、余計にエネルギーを使います。このため、生ごみをコンポスト(たい肥)にして、地元の農家や家庭菜園で利用する活動も増えてきました。食品ロスやゴミを減らし、循環によって有効活用していくこのような仕組みは、「循環型経済※ 」と呼ばれています。
※ 「サーキュラー・エコノミー」ともいう
『オルタナ』編集長森 摂
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