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9/6
2021
新型コロナウイルスのワクチン接種が進むとともに、ワクチンの重篤な副反応として、複数の臓器に全身性のアレルギー症状を起こすアナフィラキシーが注目されています。アナフィラキシーは、医薬品のほか蜂毒、天然ゴム(ラテックス)や食品でも起こることがあります。
アナフィラキシーの症状はさまざまですが、食品が原因の場合には、蕁麻疹や口の中の腫れなどの皮膚症状、息切れや咳などの呼吸器症状、さらに血圧低下や意識喪失などのショック症状が、その食品を食べた後30分程度で見られることが多いとされます。意識レベルの低下など重篤な症状は「アナフィラキシー・ショック」といい、生命の危険があるのですぐに救急車を呼ぶ必要があります。
厚生労働省の人口動態統計によると、2019年のアナフィラキシー・ショックによる死者は62名で、内訳では蜂毒が11名、薬物が10名、食物が1名、詳細不明が40名となっています。また、小麦やエビ・カニなど特定の食品を食べた後に運動をして、アナフィラキシーを発症する「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」にも注意が必要です。さらに、花粉症のある人が生の果物、野菜や大豆(主に豆乳)を食べた直後に、唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれをおこす「口腔アレルギー症候群」も増加しています。
東京食品技術研究所 学術顧問鈴木達夫
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