- 日替わりコラム
Thu
9/16
2021
私は6年間沖縄で暮らし、大学の研究以外でもさまざまなことを知りました。今回は、私が感じたコミュニケーションについて書きます。
まず意識したのは、できるだけ沖縄の方々の考えや習慣を理解したうえでお付き合いすることでした。沖縄は日本ではありますが、もともと琉球王国だったところです。ですから、本土の考え方をそのまま通すのではうまくいかないと思ったのです。沖縄の方は本土の人をお客さんという意識で迎えるため、遠慮しているように見えました。その遠慮を、「自由に振る舞っていいんだ」と誤解しない配慮が必要です。
ある時、沖縄の方と話をしていたら、「本土の人には、ある程度の壁を作ってもらったほうがかえって対応しやすい」と言われました。長男のお嫁さんが本土の人だと、双方が苦労することもあると聞いています。特に冠婚葬祭については風習がまったく異なるので、本土の人が入り込めない領域でもあります。相互に立場を理解したうえでお付き合いすることで、より良いコミュニケーションが生まれると思います。
最後に、本シリーズを通していろいろな方に沖縄を知っていただけたとしたら嬉しいです。原稿を読んだ沖縄の方から、「私でも知らないことが書いてあった」と感想をいただいたことも多々ありました。長きにわたりお読みいただき、ありがとうございました。
特定非営利活動法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰
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