- 日替わりコラム
Fri
2/11
2022
ある日、私は朝一番で工場内を巡回しました。もうすぐ入社して1年が経つ新入社員たちへの教育の成果を確認したかったからです。
最初に目に入ったのは、新入社員のA君がスタート時のコンベアーにスイッチを入れる様子でした。業務マニュアルでは、ラインの付近に人がいないことを確認してからスイッチを入れると記載されています。しかし、A君はその確認事項を怠っていました。そこで本人を呼んで確認したところ、A君は「いつもこの時間はほとんど人がいませんから大丈夫です」と言いました。また別のラインでは、容器の入っているダンボール箱が3段に積み上がっていました。マニュアルには2段までと記載されています。そこでB君を呼んで事情を聞くと、B君は「容器のダンボール箱は軽いので、2段から3段にしました。また、倉庫まで取りに行くのが面倒くさいのでまとめて取りに行きます」と言いました。
これらの2点は、工場において安全面を重視した順守項目です。しかし、時間が経つにつれて「このくらいは大丈夫」、「マニュアルを変更しても、今まで事故はなかったから」と考えることが習慣となり、入社当初に学んだはずの「何のための安全管理なのか」という理念が失われてしまったようです。管理職の皆さんは、新入社員たちが仕事に慣れてきた今の時期にこそ、もう一度教育の成果を確認してみてください。
教育アドバイザー星森 一
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