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Thu
2/24
2022
高齢者向けアプリを提供するKAERU社は、令和3年8月に「認知症当事者のお買いもの事情」という意識調査を実施しました。調査の結果、認知症・軽度認知障害と診断を受けた人の39%は、「お買いものに行かない・行けない」と回答し、その理由の多くは「歩行困難で外出できない」、「買い忘れ」、「支払い時のお金の計算」、「多重買い」という、「歩行障害」、「短期記憶の障害」、「現金の管理能力の低下」に起因したものでした。また、自身で買いものに行くことができている人をサポートする介護者の「不安と感じること」にも当事者同様、「多重買い」、「買い忘れ」、「支払い時のお金の計算」などの回答が多くありました。そして、「買いものに行けない理由が解消された場合、対象者に買いものを楽しんでもらいたいか」と聞くと、75%が「本人が望むなら買いものに行ってもらいたい」と回答しました。
買いものは認知症の進行を抑える効果が期待できるため、奨励している介護施設もあります。どんな料理を作るのかを考えて材料を選んだり、支払いをしたり、美味しそうな食品に目を奪われたりと、脳への刺激は絶大です。また、買いものは社会との交流の場でもあるので、孤独からも解放されます。家庭でも、認知症の高齢者と一緒に買いものに行くことをお勧めします。
介護問題研究家中村和彦
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