- 日替わりコラム
Thu
3/3
2022
新緑が芽吹き始める春。寒い冬を耐え忍び旬を迎える春野菜は、栄養成分を豊富に蓄えています。通年出回っている野菜でも、「新タマネギ」や「春キャベツ」のように「新」や「春」が付くものは柔らかく甘みがありみずみずしく、この時期にしか味わえない旨味が特長です。そのほかにも、菜の花、タケノコ、アスパラガス、グリーンピース、さやえんどう、明日葉、クレソンなど数多くの春野菜があります。春野菜には特有の苦味や辛味、アクが強いなど一癖ありますが、食卓の美味しいアクセントになります。
「春の皿には苦みを盛れ」ということわざがあり、「春の食事には春の食材を食べましょう」という意味が込められています。私たちの体は、冬の寒さから身を守るために脂肪を蓄えますが、春になると代謝を活発にし、冬の間に溜まった脂肪や水分、老廃物を排出しようとします。このときに役立つのが、春野菜の苦味なのです。春野菜特有の苦味の成分は、植物性アルカロイドです。腎臓の「ろ過機能」を向上させ、新陳代謝を促し、老廃物を体外に排出する働きがあります。また、ルッコラやクレソンなどに含まれる辛みの成分であるイソチオシアネートは、肝臓の「解毒作用」を強化する働きも期待されます。
春野菜たっぷりの食卓で、三寒四温の春を健康的に過ごしましょう。
管理栄養士・野菜ソムリエプロ篠原絵里佳
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