- 日替わりコラム
Tue
3/22
2022
近年「ポンジ・スキーム」による被害が増えています。ポンジ・スキームとは、配当などを装い多数の者から資金を集めるものの、実際にはそれを運用する事業や運用対象となる物品が存在しない(または著しく不足する)ため、別の者から集めた資金を他の者の支払いに充てる構造(いわゆる自転車操業状態)の詐欺的商法です。
ポンジ・スキームは、新たに獲得できる資金に限りがあるため、いずれ破綻しますが、配当金が支払われている間は被害が表面化しないため、被害が判明した時点では首謀者の資産が散逸または隠匿され、被害回復が困難であるという特徴があります。ジャパンライフ事件やケフィア事業振興会事件が知られていますが、最近では、暗号資産(仮想通貨)に関連した被害が増えており、投資に関する知識や経験のない方が自己資金や借入金から大金を支払ってしまうケースが増えています。
このような詐欺的商法には、新たなメンバーを組織に紹介することで報酬を得る制度があることが多く、勧誘してしまった場合、勧誘者として責任を追及されることにもなりかねませんので、注意が必要です。高配当・高利率を謳った投資は、詐欺的商法であることが多いので、安易にお金を出さないことはもちろん、身近な人がそのようなことをしている場合には、早期に弁護士や警察への相談を勧めるべきです。
アジアンタム法律事務所 弁護士高橋辰三
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