- 日替わりコラム
Thu
5/12
2022
春から初夏にかけては、トマトが美味しくなる季節です。トマトは、涼しい環境を好む野菜です。朝晩と日中の寒暖差が大きく、乾燥している今の季節は、原産地のアンデス山脈に気候が似ていて美味しさが増すのです。時間をかけてゆっくりと生長するため、水分量が少なく濃厚な味で、栄養価も高くなります。一方、夏のトマトは生長が早いため、水分量が多く、あっさりとした味になります。
トマトに特徴的な栄養成分といえば、赤い色素成分のリコピンです。抗酸化作用に優れており、活性酸素を除去することで、老化を防ぎ、健康的な体作りに役立ちます。リコピンは、油と一緒に摂ることで吸収率が高まるため、油で炒めたり、チーズと一緒に焼いたり、生食する場合は油をかけていただくのがお勧めです。また、トマトはグルタミン酸という旨味成分が豊富なため、魚や肉の旨味成分であるイノシン酸と一緒に摂ると、相乗効果でさらに旨味が増します。肉や魚をトマトと煮込んだり、ソテーした肉や魚にトマトソースをかけていただくのもお勧めです。
抗酸化作用のあるβカロテンも豊富に含まれており、リコピン同様、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。トマトのお尻にある放射状の白い筋が星形になっていると水分量が少なく味が濃いサインです。栄養成分が豊富に含まれている丸くて重いトマトを選びましょう。
管理栄養士・野菜ソムリエプロ篠原絵里佳
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