イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2022

食品にまつわるトラブルから学ぶ(40)デザートのシャーベットにガラス片

 お客様がレストランでデザートのシャーベットを食べている時に口の中に異常を感じて吐き出したところ、ガラス片でした。驚き、立腹したお客様は直ちに店側に申し出ましたが、謝罪するのみの店長の態度に納得できず、その場で保健所に電話をして原因調査の実施を求めました。
 保健所の検査により、シャーベットの中に複数個混入していたガラス片は、店内のデザート用グラスと同じ成分であることがわかりました。
 苦情発生前日に、従業員が冷凍ショーケースの上部に配置されたグラス保管用冷蔵庫付近でグラスを破損しました。当時は繁忙期でもあり、冷凍ケースの上蓋およびその中に保管されていた業務用シャーベット容器の蓋も開いた状態でした。苦情発生当日、従業員がディッシャーでシャーベット表面をすくい取る際に、シャーベットに付着していた透明なガラス片に気づかないまま、お客様に提供してしまったと推察されました。
 再発防止のために、グラスの保管場所を冷凍ショーケースの上部から横並びの位置に変更し、万が一グラス破損があっても破片落下による商品への混入が発生しにくいレイアウトに変更してもらいました。
 食品取扱現場において、人的なミスをなくすことはとても困難です。それだけに、食品危害が発生しにくい作業環境作りという視点から、設備配置や作業動線についての見直しを行っていくことが重要です。

公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般社団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫

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