- 日替わりコラム
Mon
8/15
2022
「松竹梅」は、めでたい祝いごとを表すシンボルです。また、松を最上級として、竹、梅の順に等級を表す用語としても使われています。
この「等級」という概念は、食品衛生においてもなんらかのルールを定めたり、意思決定をしたりするときの助けになります。
たとえば食物アレルギーに関する表示でいえば、「梅」は、法令により表示義務のある特定原材料7品目(乳・小麦など)の表示を間違いなく行うことです。次のレベルの「竹」は、アレルギー表示義務のある7品目に加えて、あわびやいくらなどの推奨21品目も表示する取組みです。最上級の「松」の一例は、義務・推奨合計28品目を表示するだけではなく、製造ラインにおいてコンタミネーション(原材料として使用していないにもかかわらず、製造過程でアレルギー物質が微量混入すること)が発生していないかどうかを定期的に確認するなど、いっそうの品質向上のために自主的な基準をつくることです。
「梅」は必ず実施しなければなりませんが、それよりも上のレベルを背伸びして実行することが必ずしも得策とは限りません。まずは自分たちのリソースはどれくらいか、また周囲がどのレベルでどのように取り組んでいるかについて情報を集めるなど、無理せずに持続可能な段階から取り組んでいくことをお勧めします。
リテールHACCP研究所山森純子
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス