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10/3
2022
アルツハイマー病協会国際会議2020において、インフルエンザと肺炎のワクチンが、アルツハイマー病のリスク低下に関連しているとの研究結果が発表されました。発表したのは、テキサス大学ヒューストン医療科学センターの研究チームで、アメリカ全州の約93万人のワクチン接種者と約93万人のワクチン未接種者を対象としています。約4年にわたる追跡の結果、インフルエンザ予防接種を受けた人は、受けなかった人よりアルツハイマー病になる可能性が40%低かったとのことです(ワクチン未接種者の8.5%、ワクチン接種者の5.1%がアルツハイマー病を発症)。同センターのプレスリリースには、「高齢者がインフルエンザのワクチンを接種すると、数年間にわたってアルツハイマー病を発症するリスクを低減することを発見した」と記載されています。
研究者らによると、効果の程度は、その人がインフルエンザワクチンを接種した回数とともに増加するとし、毎年インフルエンザワクチンを受けている人はアルツハイマー病になる割合が最も低く、より若年時に最初のワクチン接種を受けた人のほうが効果が大きかったそうです。
インフルエンザワクチンはアルツハイマー病に強い影響があるのは明らかなようですが、根本的なメカニズムについてはさらなる研究が必要だと、研究者らは述べています。
介護福祉士中村和彦
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