- 日替わりコラム
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11/21
2022
自然科学においては、「不変の真理」と呼ばれるような、いつの時代でも変わらない真実があります。たとえば、「地球は丸い」という事実は、時を経ても変わることはありません。
しかし、食品の安全性に関わる教育においては、ある時点で多くの人が学んだ内容と現在のものを比較すると、大きな変化が見られるものがあります。
中でも文部科学省による中学・高等学校の家庭科学習指導要領における「食品添加物」の記述は、時代による変化が感じられるものの一例です。
かつて、「発がん性のある食品添加物の認可取り消し」などが大きな社会問題になった頃には、「食品添加物はできるだけ避けましょう」というような記述になっていました。その後、食品添加物の安全性を評価するための仕組みの整備が進んだことにより、その概要を学び、「各人が目的や用途に合わせて加工食品の適切な選択ができるようになること」を目標とするように様変わりしています。
中学や高等学校の家庭科の授業による学びは、食品の安全性に対する認識や、それに付随する安心感の醸成に影響を与える要因のひとつです。それぞれに受けた教育による価値観が、心の中に形成されていると考えられます。
リテールHACCP研究所山森純子
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