- 日替わりコラム
Mon
12/5
2022
年の瀬が近づいてくると街中の雰囲気も変わり、なんとなくせわしない気分になってきます。このような時期には、食品調理の現場でも思いがけない事故が起こりやすくなります。慣れた職場、仕事内容であっても、普段以上に事故防止の意識と、決められた作業の確実な実施が大切です。
ある中学校の給食室で、火災が発生しました。揚げパンを作る準備段階で、給食調理員が温度調節機能のない回転釜に油を入れ、加温するためにガスに点火しました。その後、当日の調理担当3人が別室で打ち合わせを行いましたが、この間、回転釜に点火したことを忘れてしまい、出火に至りました。別の事例では、調理員がフライヤーに点火した後、フライヤーに背を向けて近くの作業台で作業していたところ、そのすぐ背後で過熱した油から出火したということもありました。たとえ短時間であっても、火元から目を離すことは火災発生の原因となり、大変危険です。
食品の調理作業には、加熱工程が多くあります。加熱に伴う火災事故を防ぐためには、どのような状況であっても守らなければならない鉄則があります。調理器具の取扱いや施設環境の安全管理の基本をしっかり確認し、職場全体で安全上の油断がないようにしましょう。
公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般社団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫
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