- 日替わりコラム
Thu
12/29
2022
動物の睡眠時間は、食のスタイルと寝場所の安全性に左右されます。
野生の肉食動物は獲物を探すための長い時間が必要で、睡眠時間を削ることもあります。草食動物は食料を探すのにそれほど時間を必要としない所に棲みますが、常に襲われる危険性があり、短い時間しか眠ることができません。どちらも基本的には短い睡眠を何回もとるタイプ(多相性睡眠)で、人間の大人のような長い眠りを1回とるタイプ(単相性睡眠)ではありません。
犬と猫とでは安心して眠れる場所が異なります。犬は平らな場所に窪みを作り、その中で眠ろうとします。ベッド用に敷いた毛布などで、そのようなしぐさをしている犬を見たことがあると思います。何か変化があったときに、すぐに起き上がれる態勢をとっているのでしょう。一方、猫は高い場所のほうが安心して眠れます。眼下で犬や子どもが大騒ぎしていても我関せずと眠っています。犬も猫も1日の睡眠時間は13時間くらいですが、ストレスのない状況が続きますと睡眠時間は長くなります。
身体に痛みのない健康な犬や猫は、十分に眠った後、大きな伸びとあくびをします。犬猫の伸びは活動前のストレッチも兼ねる健康のバロメーターです。大きく伸びとあくびをした犬や猫は、「今日もよく眠れた、絶好調!」と思っていることでしょう。
井本動物病院 院長井本史夫
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