イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Wed

1/4

2023

海兎(うみうさぎ)

 今年の干支は卯で、「兎」です。なぜか人は、海の中の生きものに陸の生きものの名前をつけたくなるようで、海にも兎の名を持つ「海兎」という巻き貝がいます。タカラガイの近縁種で、這って動いている時に上から見ると、まるで包装したキャンディのように上下をひねった形をしています。
 インド太平洋に広く分布し、日本では紀伊半島以南の珊瑚礁に棲みます。タカラガイの仲間だけあって宝石のように美しく、純白で真珠のような輝きがあり、太平洋諸島では装飾品として利用されてきました。
 私はまだ海兎の貝殻を見たことはありませんが、まれに珊瑚礁で近縁のタカラガイを見つけると感激します。美しい輝きと色合い、模様を持ったタカラガイの貝殻は、浜辺に打ち上げられたものでも十分に美しいのですが、生きた貝は輝きが数段上でうっとりと見惚れます。貨幣として使われたという説にも納得できます。
 まれにしか見つからない理由は数が少ないこともありますが、通常は岩肌のような黒い外套幕(がいとうまく)を広げていて外からは殻を見ることができません。ただ、殻の一部が露出していることがあり、これを見つけた時は興奮して写真を撮り、またそっと元に戻します。今年1年が海兎のように清く輝く年でありますよう願っています。

古田優

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