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Wed

2/8

2023

新しい選択肢としての「地方移住」(2)移住検討者の7割以上は若者

 東京の有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」に寄せられる移住相談は、年々増えつつあります。その7割以上は20~40代の若い層からのものであり、多くが移住先として市街地を希望しています。車を使わずにバスや電車などの公共交通機関で移動するなど、今まで住んでいた都心のような利便性を求めているからでしょう。
 しかし、田舎とはいえ人口の密集した市街地は土地代も高く、地域によっては家賃も思っているほど安くはありません。子どもが小さければ、騒音で近所から苦情がくることもあるでしょう。街中なので、バーベキューなどもできません。田舎らしい利点を感じられないだけではなく、土地や物価の安さという恩恵にあずかることもできないのです。地方に住めばたしかに不便ですが、都心とは圧倒的に異なる魅力を感じることができます。しかし、このような移住ではそれらを感じられずにマイナス面ばかりが目立ち、だんだんと嫌になってしまう人が多いようです。
 老後の移住も、お勧めしません。歳を重ねてから慣れない土地に行くのも、それまで車に乗っていなかったのに急に車での生活になるのも大変だからです。また、地方移住にはさまざまな支援がありますが、40歳以上の人はほぼ受けることができません※ 。地方では、地域を支える労働力になって子孫繁栄にもつながる若い世代を受け入れたいからです。

※ 自治体による

地方移住経済情報研究家金丸知弘

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