- 日替わりコラム
Wed
3/29
2023
「田舎は人口が少なく人気(ひとけ)もない。ポツンと一軒家に行けば、都会での人づき合いに疲れた自分の心を癒せる」と考える人がいますが、これは大きな勘違いです。東京は人口が多いので有名になるのに向いており出会いも多いと思われがちですが、実際にはまったく逆です。
田舎のほうが出会った人すべてが知り合いになり、人づき合いも濃密です。人口が少なければ少ないほど、その傾向は強くなります。たとえば、東京で上下ショッキングピンクの洋服で歩いていても人々の印象にはそれほど残りませんが、もし田舎で同じことをすれば1週間で町一番の有名人になれるでしょう。人口の多い地域というのは人々が干渉し合わずつき合いが希薄になるので、ちょっとやそっとでは目立ちませんし、知り合ったくらいではつき合いは始まりません。
一方、田舎暮らしは、他者に気兼ねなく甘えることができて人づき合いが好きな人に向いています。何かわからないことや困ったことがあれば周りに相談する、気軽にそういうことができるのが田舎暮らしの良いところです。
たとえば、引っ越してきたばかりの人が大きな家具を買いに行きたいと言うと、近所の人がトラックを出して手伝ってくれたりします。知り合ったばかりでもそういったことができる人間関係が魅力なのです。
地方移住経済情報研究家金丸知弘
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