- 日替わりコラム
Thu
3/30
2023
一般に加齢とともに脳が萎縮し認知症の原因になるとされますが、喫煙、飲酒、肥満なども脳を委縮させる要因です。一方、ジョギングや社会的交流、特に知的好奇心が旺盛だと脳の萎縮が抑制され、認知症予防につながることもわかっています。知的好奇心が旺盛な人の脳を調べると、海馬、腹側被蓋野(ふくそくひがいや) 、側坐核(そくざかく)、中脳黒質といった部位の活動が高まっています。海馬は新しい記憶を担う中枢部で、ほかの3つは「元気」や「やる気」を感じさせる神経ネットワークの中枢です。
国立がん研究センターを中心とする多目的コホート研究※ グループは、約20年間の調査を行い、趣味を持っていない人より持っている人のほうが18%、趣味がたくさんある人では22%、認知症リスクが低いことを明らかにしました。
知的好奇心が湧く活動ではモチベーションも上がり、記憶の定着が良くなります。記憶の定着が良くなれば、萎縮が抑えられます。認知症を予防するには、趣味などの活動を持ち、上達するために知識や情報を蓄え、楽しんで行うようにすることが大切です。
定年前の人や認知症が心配という人は、若い頃にやっていた趣味や諦めていた活動を、もう一度始めてみてはいかがでしょう。認知症予防と思えば、ある意味で強力なモチベーションになるでしょう。
※ 生活習慣と病気の関係を調べるために行われる大規模な疫学調査
介護福祉士中村和彦
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