- 日替わりコラム
Wed
6/21
2023
今年3月、埼玉県入間市立藤沢中学校で3年生約200人を対象に、認知症高齢者への「声かけ運動」が行われたそうです。ひとりで歩いている高齢者の中には認知症で徘徊している方がいるかもしれません。「声かけ運動」はひとり歩きをやめさせるのではなく、皆で見守ることによって迷ってしまっても安全に帰宅できるようにすることが目的です。
当日は、まず体育館で「認知症サポーター養成講座」を行い、認知症の基礎知識と「驚かせない」、「急がせない」、「心を傷つけない」という3つの「ない」を基本とした正しい対応方法を学びました。次に校庭で、登下校時に認知症高齢者のひとり歩きに遭遇したという想定のもとロールプレイングを行い、複数人で声をかけて、警察や地域の大人につなげるという学習をしました。参加した生徒からは「恥ずかしかったけど、まちでは声をかけられそう」、「相手がどう思っているのか、汲み取るのが難しかった」などの意見があり、認知症高齢者役のために集まった大人からは「自分たちが住んでいる地区に、見守りの目が増えるのは心強い」など喜びの声が上がったということです。
高齢者に声をかけることは大人でも難しく、今回、どのように声がけすればよいのかを教育現場で学び、声がけで人がつながり、命がつながるという体験ができたことは大きな意味があったといえます。
参考文献:入間市プレスリリース
介護福祉士中村和彦
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