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6/23
2023
ファシリティドッグとは「ある特定の施設に常勤して活動するために専門的に訓練された職業犬」のことで、日本では2012年に開始され、現在4つの小児医療機関に導入されています。病院で活動する犬としてはセラピードッグが先に認知されており、患者と触れ合うことでストレスを軽減させたり生活の質を向上させる動物介在活動が主な役割ですが、ファシリティドッグはそれに加え、動物介在療法という治療行為を補助する役割も担っており、「ハンドラー」と呼ばれる特別な研修を受けた医療従事者とペアになって患者の治療や療養生活に携わります。
たとえば、手術室への付き添いや骨髄穿刺(せんし)テスト処置中の付き添い、麻酔導入までの付き添いなどがファシリティドッグの仕事です。入院している子どもたちは楽しみもなく、強いストレスを抱えています。そんな中、ファシリティドッグの存在は子どもたちを癒し、励まし、喜ばせ、辛い治療や手術に立ち向かう勇気を与えています。
「ファシリティドッグプログラム」の運営は認定NPO法人シャイン・オン・キッズが行っていますが、ファシリティドッグは未だ数頭しかおらず、その費用のほとんどは寄付で賄われています。もともと病院に動物を入れるという感覚がないのも原因でしょうが、病気の子どもたちを救うためにもファシリティドッグの必要性は高まっています。
ライター東納英輔
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