- コラム
「月刊クリンネス」に掲載された
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(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)
東京食品技術研究所 学術顧問 鈴木達夫
新型コロナウイルスの感染拡大で旅行や外出の自粛が求められるなか、ハーブや野菜を育てる家庭菜園が若者や子育て世代に人気です。
家庭菜園を安全に楽しむためには、園芸店などの専門店から入手した信頼できる種子や苗を植え、観賞用の花などの園芸植物とはしっかり区画を分け、植えた植物がわかるように表示して育てましょう。なぜなら、身近な植物などにも、有毒成分が含まれることがあるからです。たとえば、ジャガイモの芽に有毒なソラニンが含まれていることはよく知られていますが、未熟で小さなジャガイモや緑色になった皮にもソラニンやチャコニンが含まれています。また、スイセンの球根をニンニクやタマネギと、スイセンの葉をニラやネギと間違えて食べてしまうことで起こる食中毒事故が多く発生しており、死者も出ています。
高齢者には、野草摘みや山菜狩りも根強い人気があります。春先に、有毒成分を含む植物を野菜や山菜と勘違いして食べてしまう食中毒事故が数多く発生しています。有毒なイヌサフランをギョウジャニンニクと、有毒なトリカブトをニリンソウと間違える食中毒事故も毎年報告されています。山野草などを食べるときは、安全であることが確かな植物以外は、絶対に「採らない、食べない、売らない、人にあげない」ようにしましょう。
(2022年5月号掲載)
今年(2022年)2月、都内でボツリヌス菌による食中毒が発生しました。原因食品は、自家製の鮎のいずしです。いずしとは、ハタハタ、サケ、ニシン、サンマ、ホッケなどの魚とキャベツ、ダイコン、ニンジンなどの野菜を米と麹で漬け込んだ、北海道や東北地方の伝統的な郷土料理です。
ボツリヌス菌による食中毒は、この菌が産生する毒素を食品とともに喫食することで起こり、吐き気や嘔吐(おうと) 、言語障害や嚥下困難などの症状が現れます。重症例では呼吸困難により、死に至ることもあります。この事件の患者さんも、呼吸困難を起こして入院しました。
また、1歳未満の乳児にみられるボツリヌス菌による食中毒にも注意が必要です。乳児は成人と異なり、腸管内でボツリヌス菌が繁殖することがあり、腸管内で産生された毒素によって乳児ボツリヌス症を起こすことがあります。このような食中毒を防止するために、1歳未満の乳児には、ボツリヌス菌に汚染されている可能性のあるハチミツを食べさせないでください。ハチミツには、「1歳未満の乳児には与えないでください」との注意喚起の表示がされています。ボツリヌス菌は、熱に強い芽胞を形成するために一般的な加熱調理では殺菌できません。ハチミツ入りのジュースやハチミツを使った菓子やパンなどの加工食品も、1歳未満の乳児に与えるのは避けましょう。
(2022年7月号掲載)
今年(2022年)4月、東京都が設置する新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設で、患者数約30名の弁当を原因とする食中毒事件が発生しました。
この施設では、入所者に3食とも施設外部の飲食店で調製された弁当が配布されていました。その弁当は、大量の弁当調製の経験が少ない飲食店が提供したものでした。このような急ごしらえの療養施設や大規模災害の際に設置される避難所では、調理・保存設備や手洗いなどが十分ではないことによる大規模な食中毒を起こしやすい傾向があります。
今回の食中毒の原因菌は、耐熱性毒素様毒素遺伝子(astA)保有大腸菌O166で、この菌は腸管出血性大腸菌などと同じ下痢原性大腸菌の一種です。通常、大腸菌は病原性を持ちませんが、下痢などの病原性を持つものがあり、下痢原性大腸菌と呼んでいます。
キャンプやバーベキュー(BBQ)が人気となり、ビルの屋上などでも手軽にBBQができるレストランなども増えてきていますが、腸管出血性大腸菌O157などによる食中毒に注意が必要です。BBQは小さなお子さんが参加することも多く、これらの食中毒にかかると後遺症の心配もあります。農林水産省のホームページに食品の運搬時の注意事項、手洗いの励行、生肉専用のトングの利用など、BBQの注意事項を記載したリーフレットがあるので、一読されることをお勧めします。
(2022年9月号掲載)
今春(2022年)、子育て支援施設の給食で有毒成分を含むスイセンをニラと間違えて食材として使用し、4~6歳の園児12名が食中毒になる事件が発生しました。スイセンは、知人からニラとして譲り受け、この施設内で栽培していたそうです。スイセンなどの植物、キノコや釣ったフグなど自然毒による食中毒が、四季それぞれで発生しています。
キノコが多く採れる秋になると、毒キノコによる食中毒も増加します。ツキヨタケ、クサウラベニタケやテングタケ類による食中毒が、その70%を占めています。野生のキノコの鑑別は難しいので、素人判断はせずに専門家の判断を求めてください。
また、個人で釣ったフグの素人調理による食中毒も毎年発生しています。フグは、その種類、部位(臓器など)や漁獲海域によって毒性が大きく異なります。フグの種類の鑑別は、似た外観のフグもあり一般の人には難しいので、素人調理はやめましょう。
厚生労働省の令和3年食中毒発生状況調査によると、植物性自然毒による食中毒が27件で患者数62名、動物性自然毒による食中毒が18件で患者数26名発生しており、イヌサフランによる1名の死者もいます。植物、キノコやフグ毒など自然毒による食中毒は、「素人調理はしない」、「人にあげない」など、ちょっとした注意で防ぐことができます。
(2022年11月号掲載)
NEW
印象アップ!
ビジネスメールの
コツ(3)
NEW
食で“魚”を愉しむ(4)
素晴らしき
生きものたち(1)
障がい者が働きやすい
職場を目指して
乳製品の
魅力と健康
衛生視点で
感染症・災害時の
BCPを考える(1)
誌上でめぐる
世界の恐竜化石(1)
印象アップ!
ビジネスメールの
コツ(2)
今こそ知っておきたい
「GAP」
バッタ博士の
バッタの話
高齢社会で生きる
合っていますか?
その日本語(2)
工場点検から
見えてくるもの
古くて新しい感染症
「結核」
京都の魅力を訪ねて(3)
ネズミ豆知識(2)
認知症の予防(3)
食品衛生に
取り組むあなたへ(5)
ビジネスに役立つ
文章講座(1)
人と犬と猫が
ともに暮らすこと(1)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(7)
展覧会に出かけると(4)
認知症の予防(2)
ネズミ豆知識(1)
先人達の
マーケティングに
学ぶ(2)
食品衛生に
取り組むあなたへ(4)
デング熱と蚊
野菜を美味しく食べて
健康に(2)
食品衛生に
取り組むあなたへ(3)
先人達の
マーケティングに
学ぶ(1)
寄生虫あれこれ(1)
認知症の予防(1)
展覧会に出かけると(3)
食品衛生に
取り組むあなたへ(2)
印象アップ!
ビジネスメールの
コツ(1)
身近な食中毒
イルカが教えて
くれること(4)
食品衛生に
取り組むあなたへ(1)
ヤマビルって
どんな生きもの?
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(6)
沖縄のいきもの事情(6)
植物と人々の暮らし(2)
1か月で1キロ痩せる
ダイエット
もっと知りたい
漬物の魅力
目黒寄生虫館に
展示されている
寄生虫(3)
植物と人々の暮らし(1)
野菜を美味しく食べて
健康に(1)
冷凍食品の豆知識
京都の魅力を訪ねて(2)
沖縄のいきもの事情(5)
食品衛生管理における
ヒューマンエラー対策
京都の魅力を訪ねて(1)
免疫力を高める食事
イルカが教えて
くれること(3)
食で“魚”を愉しむ(3)
片づけられる
子どもに育てる(3)
さまざまな依存症
沖縄のいきもの事情(4)
異臭苦情問題を考える
イルカが教えて
くれること(2)
食で“魚”を愉しむ(2)
夜空を眺めて
みませんか(2)
発達障害とは
ぶらぶら歩きの
極意(2)
大人の食物アレルギー
イルカが教えて
くれること(1)
おふくろの味の
底ぢから(3)
片づけられる
子どもに育てる(2)
沖縄のいきもの事情(3)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(5)
おふくろの味の
底ぢから(2)
夜空を眺めて
みませんか(1)
おふくろの味の
底ぢから(1)
食品企業改革
ものがたり
コウノトリの
過去・現在・未来
片づけられる
子どもに育てる(1)
注目すべき
食中毒(4)
展覧会に出かけると(2)
子どもの健康
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(4)
沖縄のいきもの事情(2)
お宝をまもる営み
沖縄のいきもの事情(1)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(3)
今日から始める!
片づけ入門
水と健康(2)
水と健康(1)
暮らしの頼れる
パートナー
「介助犬」
さまざまな健康障害
目黒寄生虫館に
展示されている
寄生虫(2)
リバウンドしない
ダイエットのために
目黒寄生虫館に
展示されている
寄生虫(1)
注目すべき
食中毒(3)
展覧会に出かけると(1)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(2)
持続可能な
開発目標(2)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(1)
持続可能な
開発目標(1)
薬と仲良く、
元気な毎日
上野動物園の
ジャイアントパンダ
食生活を
”少しだけ変えて”
健康に
異物混入問題を
考える
多摩動物公園
昆虫園だより
食物アレルギーと、
どうつきあっていくか
食品を介して感染する
恐れのあるウイルス
歯の健康は、
心と体の健康
介護保険制度と
お金(2)
安富和男先生の
面白むし話(22)
食品工場の
「やってはいけない」
(2)
介護保険制度
とお金(1)
食品工場の
「やってはいけない」
(1)
安富和男先生の
面白むし話(21)
身のまわりの感染症
安富和男先生の
面白むし話(20)
自然災害と
感染症対策
知っておきたい
介護のこと
たっぷり野菜で、
心も体も健康に
安富和男先生の
面白むし話(19)
食品事故を
防ぐために
安富和男先生の
面白むし話(18)
家庭でできる
ノロウイルス対策
安富和男先生の
面白むし話(17)
見逃さないで!
病気のサイン
(4)
安富和男先生の
面白むし話(16)
温泉って、
どんなもの?
安富和男先生の
面白むし話(15)
季節と暮らす(2)
安富和男先生の
面白むし話(14)
子どもたちの
心の声を聴く(1)
安富和男先生の
面白むし話(13)
注目すべき
食中毒(2)
安富和男先生の
面白むし話(12)
見逃さないで!
病気のサイン
(3)
安富和男先生の
面白むし話(11)
今さら聞けない?
食品衛生のウソホント
(2)
安富和男先生の
面白むし話(10)
今さら聞けない?
食品衛生のウソホント
(1)
安富和男先生の
面白むし話(9)
季節と暮らす(1)
安富和男先生の
面白むし話(8)
上野動物園飼育係通信
安富和男先生の
面白むし話(7)
アンチエイジング
安富和男先生の
面白むし話(6)
老化のサイン(2)
安富和男先生の
面白むし話(5)
老化のサイン(1)
安富和男先生の
面白むし話(4)
温泉めぐり春夏秋冬
安富和男先生の
面白むし話(3)
注目すべき
食中毒(1)
安富和男先生の
面白むし話(2)
安富和男先生の
面白むし話(1)
食中毒を
防ぐために
食で“魚”を愉しむ(1)
合っていますか?
その日本語
見逃さないで!
病気のサイン
(2)
みんなで減らそう!
フードロス
こんなところで、
ノロウイルス感染
蚊が媒介する感染症
ぶらぶら歩きの
極意(1)
子どもたちへの
環境教育
見逃さないで!
病気のサイン
(1)
ネコからの
「ズーノーシス」
新型
インフルエンザ等
対策特別措置法
乳製品の
魅力と健康
高齢社会で生きる
認知症の予防(3)
認知症の予防(2)
野菜を美味しく食べて
健康に(2)
認知症の予防(1)
身近な食中毒
1か月で1キロ痩せる
ダイエット
野菜を美味しく食べて
健康に(1)
免疫力を高める食事
さまざまな依存症
発達障害とは
おふくろの味の
底ぢから(3)
おふくろの味の
底ぢから(2)
おふくろの味の
底ぢから(1)
子どもの健康
水と健康(2)
水と健康(1)
さまざまな健康障害
リバウンドしない
ダイエットのために
薬と仲良く、
元気な毎日
食生活を
”少しだけ変えて”
健康に
歯の健康は、
心と体の健康
たっぷり野菜で、
心も体も健康に
見逃さないで!
病気のサイン
(4)
見逃さないで!
病気のサイン
(3)
アンチエイジング
老化のサイン(2)
老化のサイン(1)
見逃さないで!
病気のサイン
(2)
見逃さないで!
病気のサイン
(1)
素晴らしき
生きものたち(1)
誌上でめぐる
世界の恐竜化石(1)
バッタ博士の
バッタの話
ネズミ豆知識(2)
人と犬と猫が
ともに暮らすこと(1)
ネズミ豆知識(1)
寄生虫あれこれ(1)
イルカが教えて
くれること(4)
ヤマビルって
どんな生きもの?
沖縄のいきもの事情(6)
目黒寄生虫館に
展示されている
寄生虫(3)
沖縄のいきもの事情(5)
イルカが教えて
くれること(3)
沖縄のいきもの事情(4)
イルカが教えて
くれること(2)
イルカが教えて
くれること(1)
沖縄のいきもの事情(3)
コウノトリの
過去・現在・未来
沖縄のいきもの事情(2)
沖縄のいきもの事情(1)
目黒寄生虫館に
展示されている
寄生虫(2)
目黒寄生虫館に
展示されている
寄生虫(1)
上野動物園の
ジャイアントパンダ
多摩動物公園
昆虫園だより
安富和男先生の
面白むし話(22)
安富和男先生の
面白むし話(21)
安富和男先生の
面白むし話(20)
安富和男先生の
面白むし話(19)
安富和男先生の
面白むし話(18)
安富和男先生の
面白むし話(17)
安富和男先生の
面白むし話(16)
安富和男先生の
面白むし話(15)
安富和男先生の
面白むし話(14)
安富和男先生の
面白むし話(13)
安富和男先生の
面白むし話(12)
安富和男先生の
面白むし話(11)
安富和男先生の
面白むし話(10)
安富和男先生の
面白むし話(9)
安富和男先生の
面白むし話(8)
上野動物園飼育係通信
安富和男先生の
面白むし話(7)
安富和男先生の
面白むし話(6)
安富和男先生の
面白むし話(5)
安富和男先生の
面白むし話(4)
安富和男先生の
面白むし話(3)
安富和男先生の
面白むし話(2)
安富和男先生の
面白むし話(1)
NEW
食で“魚”を愉しむ(4)
今こそ知っておきたい
「GAP」
工場点検から
見えてくるもの
食品衛生に
取り組むあなたへ(5)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(7)
食品衛生に
取り組むあなたへ(4)
食品衛生に
取り組むあなたへ(3)
食品衛生に
取り組むあなたへ(2)
食品衛生に
取り組むあなたへ(1)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(6)
もっと知りたい
漬物の魅力
冷凍食品の豆知識
食品衛生管理における
ヒューマンエラー対策
食で“魚”を愉しむ(3)
異臭苦情問題を考える
食で“魚”を愉しむ(2)
大人の食物アレルギー
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(5)
食品企業改革
ものがたり
注目すべき
食中毒(4)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(4)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(3)
注目すべき
食中毒(3)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(2)
食品にまつわる
トラブルから学ぶ
(1)
異物混入問題を
考える
食物アレルギーと、
どうつきあっていくか
食品工場の
「やってはいけない」
(2)
食品工場の
「やってはいけない」
(1)
食品事故を
防ぐために
注目すべき
食中毒(2)
今さら聞けない?
食品衛生のウソホント
(2)
今さら聞けない?
食品衛生のウソホント
(1)
注目すべき
食中毒(1)
食中毒を
防ぐために
食で“魚”を愉しむ(1)
みんなで減らそう!
フードロス
NEW
印象アップ!
ビジネスメールの
コツ(3)
障がい者が働きやすい
職場を目指して
印象アップ!
ビジネスメールの
コツ(2)
合っていますか?
その日本語(2)
京都の魅力を訪ねて(3)
ビジネスに役立つ
文章講座(1)
展覧会に出かけると(4)
先人達の
マーケティングに
学ぶ(2)
先人達の
マーケティングに
学ぶ(1)
展覧会に出かけると(3)
印象アップ!
ビジネスメールの
コツ(1)
植物と人々の暮らし(2)
植物と人々の暮らし(1)
京都の魅力を訪ねて(2)
京都の魅力を訪ねて(1)
片づけられる
子どもに育てる(3)
夜空を眺めて
みませんか(2)
ぶらぶら歩きの
極意(2)
片づけられる
子どもに育てる(2)
夜空を眺めて
みませんか(1)
片づけられる
子どもに育てる(1)
展覧会に出かけると(2)
お宝をまもる営み
今日から始める!
片づけ入門
暮らしの頼れる
パートナー
「介助犬」
展覧会に出かけると(1)
持続可能な
開発目標(2)
持続可能な
開発目標(1)
介護保険制度と
お金(2)
介護保険制度
とお金(1)
知っておきたい
介護のこと
温泉って、
どんなもの?
季節と暮らす(2)
子どもたちの
心の声を聴く(1)
季節と暮らす(1)
温泉めぐり春夏秋冬
合っていますか?
その日本語
ぶらぶら歩きの
極意(1)
子どもたちへの
環境教育