- 日替わりコラム
Thu
7/13
2023
食品を扱う施設では、洗浄剤、消毒剤など、食品に混入した場合には健康被害をもたらす薬剤類が保管、使用されています。薬剤類の取扱いルールの設定とその確実な実施は必須事項です。
ある学校の給食に提供された牛乳を飲んだ多くの児童が異臭を感じ、腹痛、吐き気などの体調不良を訴えました。牛乳工場の充填作業工程でパイプライン洗浄用のアルカリ洗剤が牛乳に混入したことが直接要因でした。従事者による洗浄作業手順の遵守と確認不十分による事故でした。
一般の飲食店においても、飲用水用ポットの漂白のために使用していた次亜塩素酸ナトリウム溶液(漂白剤)を、そのままコップに注いでお客様に提供してしまう事故や、調味料や油と間違えて洗剤を食品に使用してしまう例などが毎年のように発生しています。
食品施設では、薬剤類が食品に混入する危険が常に存在することを忘れてはなりません。薬剤類の取扱いマニュアルなどによって従事者間で共通認識を持つことは当然に必要ですが、次のような具体的な項目にも留意して、人がミスを犯しにくい作業環境を整えることも重要です。
・食材と薬剤類の保管場所を明確に分ける
・薬剤類は識別しやすい専用容器とし、内容物を明記する
・漂白剤などを使用中は、ほかの従事者にもわかりやすい表示をする
公益財団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般社団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫
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