- 日替わりコラム
Wed
7/19
2023
私たちは、職場や家庭、学校など、さまざまな場所で、たくさんの人たちと顔を合わせて、日々を生きております。職場では、上司や部下、同僚たちと仕事に励み、家庭では、親子や夫婦、兄弟姉妹たちと暮らしを築き、学校では、先生や友達、先輩後輩たちと学びを積んでいます。
今、皆さまの心には、どれだけの人の顔が浮かびましたでしょうか。人が一生の中に出会うことができますのは、本当に限られた、ごくごく僅かな顔ぶれであるようです。その稀少な「出会い」を、人は「ご縁」と呼ぶわけですが、不思議なもので、毎日、顔を合わせておりますと、その人と会えること自体が、日常になっていき、当たり前になっていくものです。しかし、この人と顔を合わせられるのはこれで最期となったとき、あらためて私たちは、「ご縁」や「出会い」というものの尊さや、愛おしさを感じることができるようです。
「一期一会」とは、「一生の中で、たった一度の出会い」ということばかりではなく、日常の中で、その時、その瞬間に顔を合わせることのできる尊さや、愛おしさ、そして、それが日常になっていく、当たり前になっていく有り難さを「一期一会」と申します。実は、私たちは毎日「一期一会」を繰り返しているのです。私たちの一生において、当たり前に思える出会いほど、有り難いご縁はないのかもしれません。
合掌
下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多
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