- 日替わりコラム
Fri
8/25
2023
「ルッキズム」とはLooks(見た目)とism(主義)を合わせた造語で、見た目や容姿で人を判断し、差別することです。「外見至上主義」と訳され、1970年代のアメリカで肥満を理由とした差別に抗議する人たちの中で使われたのが始まりだといわれていますが、現在でもその価値観は世界中の多くの人に根強く残っています。
インターネットやSNSの発達により、日常は理想化された人間の姿であふれ返っています。「痩せなければ」という強迫観念による摂食障害、容姿いじりによるいじめ、就職活動での容姿差別など「ルッキズム」に苦しんでいる人たちがいます。その一方で、「ルッキズム」を見直そうという動きも広がっています。ミス・コンテストや履歴書写真欄の廃止、ボディポジティブという考え方など、外見重視の考え方を見直し、ありのままの自分を受け入れようという人たちも増えています。
容姿を磨くことは良いことだと思います。しかしいくら外見を良くしても、内面まで美しくなるわけではありません。情報に囚われ、周りの意見に翻弄されてばかりいては、いつまでたっても本来自分が持っている美しさには気付かないでしょう。時代とともに価値観は変わり、美意識も変化していくものです。「ルッキズム」に振り回される生き方は、もう時代遅れなのかもしれません。
ライター東納英輔
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス