- 日替わりコラム
Fri
11/3
2023
ある北国の小学校の理科の授業で、「雪がとけたら何になりますか?」という問いに対し、「水」ではなく「春」と答えた児童の話があります。「水になります」という正答と対比し、「春になります」という情緒ある答えを出すことができる視野もまた魅力的であるというエピソードですが、自然科学と人文科学、論理的視点と情緒的視点を対比するたとえ話としても有名です。
近年、学問分野では、文系・理系の枠組みを取り払った「文理融合の専攻」や、いくつかの異なる分野にまたがって研究を行う「学際的な研究」なども広く知られるようになりました。「雪がとけたら、水になるし、春にもなる」というような、より広い視野を持って行う学問や研究でしょうか。
食品衛生や食品安全に関連する分野を考えてみると、生物学・化学・物理学の基礎、食品科学や調理学、法学や経営学など、実に多岐にわたっています。さらに食糧問題や環境問題、動物福祉の問題などとの関連性もよりいっそう重要視されています。
「食」という、人間が生きていくために必要不可欠なものを守り、次世代につなげていくためには、多様な視点を持った多くの人の協業がますます必要になっています。
リテールHACCP研究所山森純子
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス