イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2023

ミドリガメ

 近くの池を覗くと、カメが甲羅干ししている姿や、水中から顔を出している姿をよく見かけます。最近は、そのほとんどがミシシッピアカミミガメです。本種の幼体は「ミドリガメ」と呼ばれ、かつてはペットショップや縁日で売られていました。幼体のときはきれいな緑色なのですが、成体になるとその色はなくなり、顔の赤い斑紋のみが残ります。ミドリガメは、海外から輸入されたペット類の中では、最も多くの数が安価で販売されました。飼育が容易であったため、飼う人も多かったのですが、飽きられて近くの池に放されることも多かったようです。本種は水質の汚染にも強く、また汽水域でも生息できます。繁殖力はほかのカメと比べものにならないほどであり、いつの間にかニホンイシガメの生息していた池のカメは本種に置き換わってしまいました。
 一方、ミドリガメのようにきれいでかわいいカメとは異なり、かつて一世(いっせい)を風靡(ふうび)した「ガメラ※ 」を想像させるカミツキガメ。こちらの野生化も問題です。本種は成長するにつれ大型になるため、自宅で飼いきれなくなり手放すのでしょう。カミツキガメは凶暴で、ヒトの指なら食いちぎれるくらいの力があります。水中に潜んでいることが多く、池などに手を入れることは非常に危険です。
 現在は特定外来生物法により勝手に遺棄すると法律で罰せられます。

※ 1965年公開の特撮映画『大怪獣ガメラ』に登場するカメに似た巨大な怪獣

イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力

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