- 日替わりコラム
Tue
12/12
2023
大分県別府市の鉄輪(かんなわ)温泉で、湯治を現代の暮らしに取り入れようと、2020年からシェアハウス「湯治ぐらし」を展開するプロジェクトが始まっています(湯治ぐらし株式会社)。男女別のシェアハウス※ に、学生、若手社会人から60代、80代とさまざまな年齢の人たちが集まり、生活をともにしています。入居条件は、「湯治をライフスタイルに取り入れ、その魅力を実践・発信する想いがあること」、それだけです。湯治は古くからある養生法ですが、ここでは、属性や目的もバラバラの同居者たちと日々温泉に浸かり、近隣の畑で農作業をし、育てた作物で料理をし、地域の方と交流しながら、自分自身の心や体と向き合います。どの温泉にどう入浴すべきか、指導者から湯治カウンセリングを受けて健康を目指すワーケーションプログラムも用意されています。代表取締役の菅野静さんは「地域共生、コミュニティ、自然や食、サスティナビリティ……、これらと温泉・湯治との掛け算で、さまざまな分野に特化したワーケーションや事業、産業が作れるはず」と話します。
自分の心身と向き合い、多様性を受け入れ、他者や社会、自然を尊重し、調和しながら生き生きと暮らしていくこと。日本のウエルネスの重要な要素、「おもてなし」、「生きがい」、「養生」、「つながり」がここで実践されているように思います。
※ 湯治ぐらしには、夫婦・カップル、企業SOHO 向けなどもある
一般社団法人 Jウエルネス振興会 代表理事江渕敦
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