- 日替わりコラム
Fri
12/22
2023
爪切りは爪を上下から刃で挟んで押し切るのが一般的ですが、「深爪をした」、「爪が飛んで危ない」など、おろそかにはできない作業です。
プラスチック成形用金型を製造する松本金型株式会社の松本文治社長が、爪を切るのではなく削る発想で開発した、商品名「魔法のつめけずり」が人気です。ペン軸ほどの先にステンレスのメッシュ部があり、爪を当てて前後に動かすとカンナのように削ることができます。
メッシュ部は0.1mm厚の縦長のステンレス板でできており、中央がややくぼみ、全面にわたって0.03mmという微細なスリット穴が300個開いています。削りカスはメッシュ部の穴から軸の内部に入っていきます。深爪をすることも爪が飛び散ることもなく、刃に触ってもケガをしません。手入れが終わった後は、軸の下端を引くとキャップが外れ、削りカスを取り出せます。ヤスリを使ったときのように粉状のカスが舞うこともなく片づけも簡単です。
気になるのは微細なスリット穴の加工方法です。ステンレス板にパンチで貫通しない程度に無数の打痕を形成し、その後ステンレス板を湾曲させると両側に引っ張られて破断し、打痕はスリット状の穴になります。
本体はステンレスと樹脂のため、水洗いでき衛生的です。メッシュ部はキャップがかぶさり、ペンのようにおしゃれに携帯できます。
一般社団法人 発明学会 顧問平井工
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