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Wed

4/10

2024

誌上でめぐる世界の恐竜化石(17)アメリカ・ニューメキシコ州

 今から約40年前、アメリカ・ニューメキシコ州から発見された化石は肉食恐竜ティラノサウルス・レックスに分類されていました。その化石が、ティラノサウルス属の新種マクレイエンシスと名付けられたという論文が2024年1月に発表されました。2024年最初の新種恐竜のひとつです。頭部しか発見されていませんが、全長約12mと推定されています。
 最近になって、この化石が発見された地層の年代が今から約7300万年前だったことが明らかになりました。ティラノサウルス・レックスが生息していたのは約6800万年前から6600万年前だと考えられています。レックスにしては古すぎること、そしてレックスよりも下顎がほっそりとしていることなどの特徴から新種になりました。
 今から1億2000万年前ごろは全長2mほどの羽毛恐竜だったティラノサウルス類が、約7000万年前にアジアで大型化してタルボサウルスに、そして北アメリカに渡ったものがティラノサウルス・レックスになったというのが一般的な説でした。今回、ニューメキシコ州の約7300万年前の地層からマクレイエンシスが発見されたことから、ティラノサウルス類の大型化は北アメリカで始まり、その子孫の一部がアジアに渡ってタルボサウルスになったという可能性が出てきました。

独立行政法人 国立科学博物館 副館長・研究調整役真鍋真

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