- 日替わりコラム
Tue
4/16
2024
長時間座ったままでいると筋肉の代謝や血行を低下させ、健康に害を及ぼすといわれています。WHOも「座ったままの時間を減らして何かしらの身体活動に置き換えること」を推奨しています。
福岡工業大学は座位行動(座りがちな生活行動)と要介護化リスクとの関係を研究してきました。研究では1日あたりの座位行動時間の長さが、将来の要介護化リスクにどう関連するのかを調べるため、2011年から9年間にわたって健康な高齢者2629人を追跡調査しました。その結果、1日あたりの座位行動に費やす時間を10分間、運動(ジョギングや階段上り)に置き換えると、要介護化リスクが約12%低減できる可能性があることが判明しました。ただし、軽強度身体活動ではこの結果は得られず、中強度以上の運動が有効であることもわかりました。中強度とは歩行だと大股で早く歩き、うっすら汗ばむほどの運動です。山歩きや畑仕事なども同等の運動です。低強度は屋外だと意識せずにだらだら歩くこと、室内では掃除や洗濯などの家事が該当します。
福岡工業大学は今回の調査を、糟屋郡篠栗町(ささぐりまち)と共同で取り組み、昨年度は、高齢者施設や町民らと一緒に中強度の運動(ジョギングや家事)を1日の空いている時間に実施する「ちょい活」運動を実施しました。要介護化予防をはじめ、健康づくりの弾みになればと期待されています。
介護福祉士中村和彦
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