- 日替わりコラム
Mon
5/20
2024
日本料理で大切なことは、「五味・五色・五感・五法」にあるとされ、その背景には古代中国の「陰陽五行思想※ 」があります。季節の食材を、五味「甘・酸・辛・苦・かん(塩辛い)」、五色「青・赤・黄・白・黒」、五感「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」を意識し上手に組み合わせ、五法「生(切る)・煮る・焼く・揚げる・蒸す」を的確に使い分け、調理することで、見た目、味、栄養面とバランスの良い料理ができると考えられました。そして、この食材を活かす技は一流の料理人によって、磨かれ伝承されてきました。
この考え方は、日本料理に限った話ではありません。加工食品を含む、すべての食に関わる仕事をしている人々にとって大切な考え方なのです。「企業は人なり」といわれ「人材は人財である」とまでいわれます。組織における食材ならぬ人材をどう活かすかについて、日本料理に学んでみてはいかがでしょうか。「煮ても焼いても食えぬ奴」などという表現がありますが、人材も五法(育成の仕方)次第では、強力な戦力として育つはずです。適材適所により一人ひとりの個性(五味・五色)が活かされ、より活き活きと仕事ができるようになるでしょう。
日本料理における最高の一膳の創作は、組織における人材活用法に通ずるものがあるのではないでしょうか。
※ 森羅万象を「陰陽」の2要素と「五行」の5要素に分け、それぞれの組み合わせによって事象を解釈する考え方
商品開発アドバイザーH・B 山越
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