イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Thu

7/18

2024

衛生視点で感染症・災害時のBCPを考える(10)石油ストーブの備蓄

 真冬に発生した令和6年能登半島地震の被災地では、避難所の暖房として石油ストーブが使われました。ライフラインが止まっても使用できる石油ストーブは、局所的に暖をとることができます。石油ストーブを備蓄品にする際のメリット・デメリットを考えてみます。
 メリット:(1)暖がとれる。輻射熱(ふくしゃねつ)を利用して暖まる「反射式石油ストーブ」は、前面で暖まることができます。(2)電気が不要。灯油があれば、停電時でも使用できるのが最大の利点です。(3)湯を沸かせる。上部が熱せられるので、やかんで湯を沸かすことができます。調理も可能です。ただし、余震で揺れが続く時期は控えたほうが良いでしょう。
 デメリット:(1)一酸化炭素の発生。装置や部品の劣化により不完全燃焼が起きると、有害な一酸化炭素が発生します。過去の被災地では、製造後20年経過した石油ファンヒーターの不完全燃焼事例がありました。(2)二酸化炭素の発生。完全燃焼すると、二酸化炭素を発生します。定期的な換気が必要です。(3)浮遊粉じんの発生。灯油の燃焼により、大きさ100分の1ミリくらいの粒子が発生することがあります。気管支ぜんそくの発作の誘因につながる可能性があるかもしれません。
 なお、石油ストーブの備蓄は、施設の大きさ、災害時の施設の使用形態などから数を考えるのが大切です。

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オフィス環監未来塾 代表中臣昌広

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