イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

DAILY COLUMN

- 日替わりコラム

Mon

8/26

2024

氷の衛星「エウロパ」

 夏は氷が恋しくなります。今回は氷で覆われた星のお話です。
 2023年4月、南米フランス領ギアナのクールー宇宙基地で、日本などが参加する欧州宇宙機関から探査機JUICEがエウロパなど木星の衛星に向けて打ち上げられました。エウロパは気温マイナス170℃の全体が氷に覆われた星ですが、氷の下には深さ100kmの海があり、海底では熱水が噴出していると予想されています。地球の海底にも熱水が噴出している場所がありますが、最近の研究では最初の生命が誕生したのはそうした場所とする説が有力で、エウロパでも同じように生命が生まれ、進化を続けているのではないかと考えられています。
 1982年に発表されたアーサー・C・クラーク著『2010年宇宙の旅』というSF小説の中では、着陸した宇宙船の強い光に誘われ、氷の隙間を抜けて海底から地表に出てきたエウロパの生命体を、次のように表現しています。「濡れた巨大な海草の葉と見えるものが地面を這ってくる……低速度撮影で花のひらくところを見ているようだった……花はひとつ、またひとつと母枝から落ちていった……魚みたいにぴょんぴょんとはねる……その生物の、魚に似た幼生期なのだ……」2031年、JUICEはエウロパに到達します。残念ながら着陸はできませんが、果たしてどんな生物の痕跡を見つけられるでしょうか。

引用文献:『2010年宇宙の旅(新版)』アーサー・C・クラーク著 ハヤカワ文庫

古田優

全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています

戻る

ACCESS

- アクセス

事業所

〒275-0024
千葉県習志野市茜浜1-12-3
ライフ・クリエーション・スクエア内BMSA・環文研共同研究棟1階

Google Map

本部

〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-11
アグリスクエア新宿11階

Google Map
お問い合わせはこちら トップへ