イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Wed

9/4

2024

若き開発者への手紙(45)不易流行(ふえきりゅうこう)

 「不易流行」という言葉があります。『去来抄(きょらいしょう)※ 』の中に、俳聖・松尾芭蕉は「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と述べたと記されています。物事には、「時代の変化に応じて変わるべきもの(流行)」と、「いつまでも変わらないもの(不易)」があり、新しさを求めて絶えず変化する流行性にこそ、永遠に変わることのない不易の本質があり、不易と流行とは根元においてひとつであるというものです。
 新製品を開発する際にも、この「不易流行」という考え方が重要になります。既存の商品には先人たちの英知が詰め込まれています。それらの商品のどこにどのような開発設計者の思いや工夫が込められているのかを汲み取った上で、改良すべき項目を見極める姿勢が大切なのです。
 また、「新任の上司が来たら、仕事がやりづらくなってしまった」よくこんな話を耳にします。その上司が自分のカラーを出したいがために、これまでのやり方を一新してしまうからです。慣れ親しんできた仕事のやり方が否定されるだけではなく、慣れないやり方により効率も落ちてしまいます。新任の上司として成果を上げたいという気持ちはわかりますが、業務改革にあたっては、やはり不易流行の考え方をもって、良い部分は認めて残す姿勢も必要なのではないでしょうか。

※ 向井去来が松尾芭蕉からの伝聞、蕉門での論議、俳諧の心構えなどをまとめた俳諧論書

H・B 山越氏が10 年にわたり本誌『月刊クリンネス』に連載したものを加筆修正した書籍が『「カレーの王子さま」開発責任者から若き開発者への手紙~ヒットのためのヒント集~』として文芸社から上梓されました。
↓山越氏の過去の記述を読んでみたい方はこちらから
https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-24619-2.jsp

商品開発アドバイザーH・B 山越

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