イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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10/9

2024

将来の食料確保に向けて(1)

 2024年7月、世界人口見通しの最新版が公表されました※1 。総人口は81.3億人です(中位推計、以下同じ)。今後、2061年には100億人、ピークは2084年の102.9億人と見込まれています。その後、わずかに減少し2100年には101.9億人になるようです。
 少し古い話ですが、1960~70年代には「宇宙船地球号※2 」という表現がはやりました。無限の資源を想定し発展を目指した従来型の経済活動に対し、有限かつ閉じた、あるいは循環型の経済を指向する考え方です。「地球」という宇宙船の中で限られた資源の使い方を考えるという、きわめて象徴的な比喩でした。
 それから半世紀以上の年月を経た2020年10月、日本政府は2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを宣言しました。それでも今後、世界的にまだまだ人口は増加しますが、日本はすでに少子高齢化に伴う人口減少が始まっています。
 食料生産の中心である農業分野にも大きな影響が出ています。その中で、カーボンニュートラルを達成しつつ、同時に必要な食料の安定供給を確保する、実のところ現代日本は、食料の安定生産・調達から消費に至る各段階でさまざまな社会的課題に直面しています。

※1 United Nations,“World Population Prospects 2024”.(https://population.un.org/wpp/)2024年7月25日確認
※2 『宇宙船地球号 操縦マニュアル』バックミンスター・フラー著 ちくま学芸文庫(2000年)など。初版は1969年

宮城大学 副学長 食産業学群 教授三石誠司

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