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10/22
2024
「グリーンウォッシュ」をご存じでしょうか。ウォッシュとは一義的には「洗う」という意味ですが、もうひとつ、「(壁などを)塗りたくる」という意味があります。汚れた壁を白いペンキで塗って隠すことを「ホワイトウォッシュ」といい、これが「グリーンウォッシュ」の原義です。つまり、「何か都合の悪いことを隠す」という意味合いです。グリーンウォッシュは、企業や組織が地球や環境に良いことをやっているように見せておきながら、実は良くないことをやっているという、いわば「言行不一致」です。
日本では、まだウォッシュという言葉自体が普及していませんが、米国や欧州では、すでに法的規制や行政処分、訴訟などの対象になりつつあります。有名なのは、米デルタ航空の訴訟事件です。同社の「世界初のカーボンニュートラルの航空会社になる」という広告表現がグリーンウォッシュに当たるとして、今年5月、集団訴訟が起きたのです。
グリーンウォッシュを取り締まる動きは、日本でも起きています。消費者庁は2022年、根拠のない「生分解性」をうたっていたプラスチック製レジ袋などの表示が「優良誤認表示」に当たるとして、10社に対し措置命令を行いました。知らずしらずのうちにウォッシュになっている可能性もあるので、細心の注意が必要です。
『オルタナ』編集長森 摂
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