- 日替わりコラム
Wed
10/23
2024
サソリにそっくりな「サソリモドキ」という生きものがいます。日本にはアマミサソリモドキとタイワンサソリモドキが生息しています。
2022年5月、東京都ペストコントロール協会と国立感染症研究所は八丈島で有害生物の調査を実施し、サソリモドキの詳細についても知ることができました。八丈島にはアマミサソリモドキが多数生息していました。現物を見ると、確かにサソリモドキの容姿はサソリに似ており、最大で40mmにも成長するため、ペットとしても人気があることが理解できます。サソリのような毒針はありませんが、腹部の末端部に分泌腺が開いており、危険を察知すると強い酢酸臭がする体液を噴射します。その成分は酢酸80%、カプリル5%などであり、皮膚につくと皮膚炎になることが知られていますが、家屋害虫としての認識は少ないようです。
サソリモドキの生息環境は、湿気の多い山林内の岩の下や倒木の下とされていますが、今回調査した開発が進んだ地域の民家周りでは、石の下、湿った落ち葉の下などに生息し、石の下など多い場所では1~2匹が認められ、屋外性ゴキブリよりも高密度であることがわかりました。そして、居住者へのヒアリングにより、屋内に侵入されることによる不快感と悪臭の被害があることが明らかとなりました。
イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力
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