- 日替わりコラム
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10/28
2024
現在、オフィスでの業務は知的生産性を高めることが求められるようになりました。では、知的生産性を高めているワーカーは、どのような状態なのでしょうか。そのひとつの指標として「集中時間比率」という考え方があります。集中時間比率とは、作業時間内に集中できた時間の比率のことで、仮に集中すればするほど作業効率が上がると考えれば、この比率が高いほど知的生産性も高まると考えられます。
この集中時間比率を高める具体的な例として、たとえば室内も机上面も同じ750luxの昼白色の環境で作業するより、同じ昼白色で周囲を300luxに落とし、デスクライトを750luxで昼光色にすると集中時間比率が高まるという実験結果があります。別の実験では、作業中のワーカーに、穏やかな気流と強めの気流を交互に当てた場合、そうではない場合より集中時間比率が高まるという結果が得られました。おそらく、気流により眠気が緩和されると考えられています。似たような実験では、作業中は涼しく、休憩中は暖かくなるように室温を調整してみると、常に一定の室温だった場合と比べて、集中時間比率が高まりパフォーマンスが向上しました。
このように、照明や空気環境のちょっとした工夫で仕事のパフォーマンスが高まるのです。
日本オフィス学会 副会長地主廣明
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