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Thu

12/5

2024

薬草に親しむ(2)トリカブト

 東京都薬用植物園の冷房室で栽培しているトリカブトを紹介します。ドクゼリ、ドクウツギと並ぶ日本三大有毒植物のうちのひとつですが、医薬品の規格基準書である『日本薬局方』にも収載されています。ブシという生薬名で塊根を加工して無毒化したものが鎮痛、強心、利尿といった漢方処方の構成生薬として用いられます。トリカブトにはさまざまな種類のものがありますが、医薬品として用いられているものは、主に中国原産のハナトリカブトと主に北海道で栽培されるオクトリカブトです。
 トリカブトは、山地の林などに自生しています。茎の長さは1mから2mです。9月頃に紫色の花が咲きます。花の形が舞楽の伶人(れいじん)の冠に似ているところがトリカブトの名前の由来といわれています。
 トリカブトは、植物全体に有毒なアルカロイドを含んでおり、誤食すると嘔吐、下痢、手足や指の麻痺という中毒症状を起こし、重症の場合には死亡することもあります。葉の形状がよく似ている山菜のニリンソウやモミジガサと誤食する事故が春先に多く発生しています。見分け方は、ニリンソウは春先に白色の花を咲かせますが、トリカブトの花は秋に咲きます。また、モミジガサの葉は、手のひらのような形で、基部まで切れ込みません。トリカブト類の葉は、深く切り込んでいます。

参考文献:
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/yudoku-top/nirinsou/
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/yudoku-top/momijigasa/

東京都薬用植物園 主任研究員中村耕

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