- 日替わりコラム
Tue
12/31
2024
今年も世界各地で戦争や紛争の続く年となりました。激しい攻撃と反攻が続く中、今年の魚へんの漢字は「魬」ではないかと考えました。
ハマチはブリの若魚で、体長30~40cmに成長したものです。ブリは成魚になるまでに呼び名が変わる魚ですが、地域ごとに違いがあります。関西ではツバス、ハマチ、メジロ、そして70cm以上になるとブリ、関東ではワカシ、イナダ、ワラサ、そして最後は同様にブリと呼びます。大きくなるにしたがって脂がのり味も良くなるため、価格も急速に上がります。ワカシ、イナダは安価ですが、ワラサはやや高価、ブリになると高級魚になります。ただし、分類上の魚種名は小さくてもブリなので、小型でブリと書かれて売られているときは大きさで再評価しなければなりません。他方、めでたい魚として祭事にも利用する関西では養殖も盛んで、こうした養殖ブリは通称ハマチと呼ばれ流通していますが、これは十分な餌で育てられているため脂がのっています。
日本列島を南北に回遊しているので各地で漁獲されますが、特に有名なのは富山県の氷見(ひみ)です。江戸時代は高級な魚として珍重され、塩ブリにして氷見から遠く長野県まで運び、その経路を鰤(ぶり)街道とまで呼びました。しかし意外にも生息しているのは日本の周辺だけですので、日本発の平和の象徴として世界に紹介できないものかと考えます。
古田優
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