- 日替わりコラム
Thu
4/24
2025
15年以上前になりますが、「日本の子どもの貧困」についてNPOが合同記者会見を行い、飢餓や医療体制が整っていない発展途上国の「絶対的貧困」に対し、日本には平均所得を大きく下回る年収200万円以下の世帯の子どもが6~7人に1人の割合でいるという、「相対的貧困」の実態が明らかにされました。貧困の家庭に生まれた子どもが貧困から抜け出すことが難しい「貧困の連鎖」の原因の一つは教育格差ですが、空腹では勉強どころではないと、教育支援とともに食事支援が広まっていきました。私たちもこども食堂を始めてから困窮家庭に接することが多くなり、初めてその現状を知りました。貧困と一言で言っても、栄養不良だけではなく、虐待、育児放棄、不登校、いじめ、差別などさまざまな問題が絡み合っていることが少なくありません。子ども自身には外部の大人に伝える力がなかったり、自覚がない場合もあるので、どのような方法でその子どもや家庭を見つけ専門機関につなげるかが支援の第一歩となっています。コロナ禍以降、失業や引きこもりも増えて、ますます困窮家庭が見えにくくなってしまいました。
国が少子化対策として子ども・子育て支援に取り組み始めて20年。むしろ課題は増え、支援のほふく前進状態は続き、いま抜本的な改革が求められています。
NPO法人 こどもプロジェクト 代表福田恵美
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