- 日替わりコラム
Fri
2/5
2021
皆さんはどんなときに、「これは、面白い取組みが始まったかもしれない」と感じますか。科学技術に基づいた革新的な事業や、既存のもの同士を独創的な視点で結びつけた事例を見聞きするときでしょうか。
もちろん私もそれらのものには敬意を払い、また期待もしますが、「一見地味とも思える行動を1回1回心を込めて続けてみよう」という取組みをしている人がいると、今後がとても楽しみになります。
私の知るある飲食チェーン店の店長が、「バイバイ・プロジェクト」というものを立ち上げました。お子さんを見送るときにはスタッフ全員で気持ちを込めて手を振りましょう、というプロジェクトです。もしこの店長が「1回ごとになんらかの効果や手応えを求めたい」と思ったら、「手を振る」という方法は選ばなかったでしょう。
毎日お子さんたちに心を込めて手を振り続けていくうちに、お客さまを想うスタッフの気持ちは深まり、心の通った交流が始まりました。そして、「お子さん連れのお客さまに愛される店舗」という特別な存在になることができたのです。
食品衛生の取組みでも、一朝一夕で劇的な変化を得られることはまずありません。あなたの取組みも、見返りを求めず続けていくことによって、「唯一の取組み」に育てることができるかもしれません。
リテールHACCP研究所山森純子
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