- 日替わりコラム
Mon
2/15
2021
スーパー内のすし販売店で購入したにぎりずしに、硬いプラスチック片が入っていたと保健所に届け出がありました。異物は透明で1.5cm×0.5cmほどの大きさの両端が尖(とが)った硬いものでしたが、届け出者はすしを口に含んだ時に異物に気づいたため、ケガをせずにすみました。
すし製造施設では魚介類をすし種に調製した後、アルミ製のバットに並べ、合成樹脂製のフタをして冷蔵庫内に保管していました。施設調査時はこのフタの多くにひびが入り、角が欠損している状態でした。異物の外観、厚み、材質などがすし種保管用バットのフタと一致したため、このフタの欠損部分がすしに混入して販売されたと判断されました。異物が透明であったことに加えて、作業者が大きめの使い捨て手袋を使用していたことが、異物混入に気づかなかった原因と考えられました。
当該施設では異物混入の再発防止のために、すべてのすし種保管用バットのフタを、破損しやすいポリスチレン製の硬質プラスチックから耐屈曲性の高いポリプロピレン製に取り替えることとしました。
食品取扱者が行うべき一般衛生管理は食品衛生法でも定められていますが、食品に使用する機械器具類が原因の異物混入を防止し、安全かつ衛生的に取り扱うことは最も基本的な項目のひとつです。日々の作業において、「小さな異常も見逃さない目」を大切にしたいものです。
公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般財団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫
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