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COLUMN

- コラム

「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
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(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

ネコからの「ズーノーシス」

クリンネス編集室

 「ズーノーシス(Zoonosis)」とは、動物から人にうつる病気(感染症)のことで、世界保健機関(WHO)は、「ヒトと脊椎動物の間で自然に移行するすべての病気または感染」と定義しています。訳語として「人畜共通感染症」、「人獣共通感染症」、「人と動物の共通感染症」などが使われていますが、厚生労働省は「動物由来感染症」を用いています。
 世界ではたくさんの新しい感染症が発見されています。エボラ出血熱、重症急性呼吸器症候群(SARS)など、重症化するものや治療法が見つかっていないものもあります。感染源になる動物のカテゴリーから見ると野生動物、家畜、展示動物のほか、ペットから感染する疾病があります。
 「ネコひっかき病」は、国内で最もよく見られるズーノーシスのひとつで、細菌Bartonellahenselaeを保有するネコノミが多数寄生したネコが、人を咬んだり引っ掻いたりする直接接触で感染します。感染後3〜10日間の潜伏期を経て、傷口に丘疹(きゅうしん)ができ、腋(わき)や頚部(けいぶ)のリンパ節などに腫脹(しゅちょう)※ ができます。発熱や全身倦怠感、頭痛などを伴います。
 感染予防のためには、ネコは室内で飼育し屋外でのネコノミの寄生を避けること、ネコと接触した際には手指をよく洗浄すること、ネコの傷は消毒しネコノミは駆除するなどネコの体を清潔に保つことが重要です。大好きなネコでも、感染症には配慮が必要です。
(2015年8月号掲載)

※ 炎症などが原因で、からだの組織や器官の一部が腫れ上がること

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