イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

COLUMN

- コラム

「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

印象アップ!ビジネスメールのコツ(3)

一般社団法人 日本ビジネスメール協会 認定講師 長野裕香
▼一般社団法人日本ビジネスメール協会▼
https://businessmail.or.jp/

すぐに返信ができないとき

 ある調査では、メールを出した際、1日以内に返信がほしいという人は86.24%でした。8割以上のビジネスパーソンが、24時間以内のメールの返信を望んでいることになります。しかし、返信すべき内容に対して別途調整が必要だったり、忙しくてメールの返信にまで手が回らないというのも、よくあることです。そこで、そのような場合には受領確認のメールを出しましょう。これだけで印象がぐっとアップします。
 メールに書く具体的な内容は、メールを読んだこと、なぜ今返信できないのか、いつごろ内容への返事をする予定かなどです。これらを書いていったん返信をすれば、相手から「返事が遅い」といわれることはなくなるでしょう。また、いつまでに返信するのかを自分で期限を設けて伝えると締め切りも明確になり、後まわしにして忘れてしまうことも防げます。その際、「後日」や「来週」などのあいまいな表現ではなく、「今週金曜日の17時までに、お返事を差し上げます」と、誰が読んでも同じ解釈になる日時を書いて伝えることがポイントです。すぐに返信できない内容のメールを受けることの多い方は、基本となる受領確認メールのテンプレートをご自分で作成しておくことをお勧めします。
 すぐに返信ができなくても、対応次第であなたの信頼度を上げることは可能です。ぜひ参考になさってください。
(2017年2月号掲載)

添付ファイルのサイズ

 容量の大きな添付ファイルの送信は、相手に迷惑をかけることがあるので配慮が必要だということは広く浸透してきています。では実際に、何MBまでなら送ってもマナー違反にはならないのでしょう。
 結論からいうと、2MBです。このサイズ以下であれば、受信する相手に迷惑をかけたり、「こんなサイズのファイルを送ってくるなんて、失礼だ」と思われるようなことはないでしょう。ですから、迷ったときには2MBをひとつの基準としてください。ただし、3MBが絶対にダメだということではありません。1通当たりの受信メールの上限サイズを3MBと設定している企業が一定数あるため、2MB以下であれば、ほとんどの方が受信できる一般的なサイズとして認知されているということです。また、基準以上であっても相手の方の了承を得ていれば、問題はありません。
 大容量のファイルを送ると、受信に時間がかかったり、ファイルを開けなかったり、最悪の場合には相手は受信すらできない場合もあります。社内のインターネット環境が良くなっているとはいえ、外出先でメールを確認する人も増えているので、ファイルサイズを無視することはできません。自分の送ったメールのせいで相手に不必要な手間をかけてストレスを与えないためにも、サイズ基準は2MBを目安にしてください。
(2017年4月号掲載)

拡張子への配慮

 メールの添付ファイルをクリックしても開かなかったことはありませんか。原因は、相手が添付ファイルのデータを作成するために利用したソフトが、あなたのパソコンには入っていないことです。添付ファイルの種類によっては、送信側のパソコンスキルが低い、または配慮が足りないと思われることがあります。一般的に問題が少ないのは、Word、Excelです。ただし有料ソフトであり、誰もが閲覧できるわけではありませんので注意が必要です。画像ファイルであればGIF、JPEG、PNG、圧縮形式はZIP、PDFファイルならばまず問題はありません。もし相手からファイルを開くことができないと連絡があった場合には、保存形式を相手の希望に合わせて変更し、再送付しましょう。
 一方で、一般的と思われがちなので注意が必要なのはPowerPoint、またデザイン系ソフトのIllustratorやPhotoshopなどです。事前に相手に閲覧できるかを確認するかPDF化して送信しましょう。「開かない場合は、お手数ですがご連絡ください」と本文中に記載すると親切です。
 これらの拡張子はほんの一例ですが、重要なポイントは、相手のパソコン環境を推測することです。ファイルを開けた後は、閲覧するだけなのか修正もするのかなど、相手の行動を想定して仕事を進められるよう配慮してファイル形式を選ぶことができれば、上級者といえるでしょう。
(2017年6月号掲載)

大容量ファイル送信サービス

 ビジネスメールに添付するファイルサイズは、2MBが一般的なマナーだということはすでにお伝えしました。では大量の写真や画像など、大容量のデータを送りたいときは、どうすればよいのでしょうか。
 まずは、ファイルを圧縮したり分割送信で対応しますが、それでも難しいときには、「大容量ファイル送信サービス」を利用するという方法があります。無料で利用できるものもあり、とても便利です。
 ただし、企業によってはインターネット利用上のルールが存在し、こうしたサービスへのアクセス制限がある場合もあります。送信する際には、自社の「大容量ファイル送信時のルール」を確認してください。また自社では利用可能であったとしても、受信者側が利用を禁止されていることもあります。せっかく送信したのに「受信できないので、別の方法でファイルを送ってください」と相手方から連絡を受けることもあります。
 このような無駄を防ぎ、効率的にファイルをやり取りするためには、相手が受信可能なサイズや方法を事前に確認しておくのが一番です。さらにこうしたサービスの利用が禁止されている、あるいは大容量ファイルのやり取りが前提とされている企業の場合には、独自の送受信システムを持っていることも多いので、事前に相談をし、案内してもらうとよいでしょう。
(2017年8月号掲載)

添付ファイルのセキュリティ

 ファイルが第三者に渡っても閲覧できないよう、重要なファイルにはパスワードを設定して送信します。このとき、ファイルを添付したメールの本文にはパスワードを記載しないでください。記載してしまっては、キャッシュカードと暗証番号を一緒に送付しているようなもので、まったく意味がありません。標準ルールでは、パスワードをかけた添付ファイルをメールで送り、次のメールでパスワードを送信します。しかしせっかく次のメールでパスワードを送っても、2通とも間違えた宛先に送信してしまうと意味がありません。初めての相手にメールを送るときの入力ミスを防ぐためには、メールアドレスの入力に間違いがないかどうか文字列を入念に確認することはもちろん、その上でテスト送信を行い、相手方の受信状況を確認することが有効な手段のひとつです。ただしこれでも、メール盗聴のリスクは避けられません。
 万が一にも漏れてはいけない重要情報をやり取りするときは、メールを使わずに、大事なデータは暗号化した上で別の電子媒体で持参するなどの手段も選択肢に入れましょう。セキュリティに完璧はなく、大切な情報ならば時間とお金をかけてでも守るべきだからです。メールは、あくまでひとつの手段でしかありません。手軽に送れるメリットと、セキュリティ面でのデメリットを考慮した上で、適切な手段を選択しましょう。
(2017年10月号掲載)

添付ファイルがあるときの注意点

 添付ファイルがあるときは、メール本文中に「添付ファイルをご覧ください」と必ず記載しましょう。当然のようで案外できていない人が多く、本文だけで完結しているように見えるメールほど「添付ファイルに気づかなかった」という行き違いが生じます。突然電話等で、「期限が過ぎているので早く回答がほしい」と連絡があり、慌てて再確認して添付ファイルに気づくケース、本文に「再提出依頼」とだけあり意図を推測して修正したら、実は添付ファイルに詳細な修正指示が書かれていたケースなど、トラブルや二度手間などにつながりやすいので注意が必要です。メール本文に添付ファイル名まで書けばさらに親切なうえ、添付を忘れて送信しても、相手が気づくために行き違いを防ぐことができます。
 もうひとつは、ファイルの名称です。「案内」や「契約書」では、相手がダウンロードした後、何についての案内や契約書なのかがわかりにくく、ファイル名を変更するひと手間をかけてしまいます。「〇月関西地区連絡会案内」、「平成29年度〇〇システム保守契約書」など、キーワードになる言葉は3つか4つ入れるように意識するとよいでしょう。同内容のファイルを何度も送付するのであれば日付やバージョン管理も必須です。電子データは紙よりも後の検索が難しくなる傾向があるので、こうした配慮は大切です。基本事項だからこそ、気をつけましょう。
(2017年12月号掲載)

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