- 日替わりコラム
Wed
10/28
2020
昨年、2014年以来5年ぶりに国内発生のデング熱が2件報告されました。
1件目は、9月18日に沖縄県那覇市在住の70代女性Aさんが診断された事例です。Aさんは、同居家族とともに8月16日~26日にネパールへ渡航し、帰国後4日目に、同行した同居家族がデング熱を発症し、その後回復していました。疫学調査の結果、海外での滞在歴とデングウイルスの最長潜伏期間(14日間)などから、自宅周辺の蚊を媒介とした市内感染(2次感染)の可能性が高いと考えられました。
2件目は、海外からの観光客増加が原因ではないかと考えられている事例です。10月10日、都内の医療機関から海外渡航歴のないデング熱患者2名の発生届がありました。2名は同じ学校の生徒で、京都、奈良での修学旅行中にデングウイルスを保有する蚊に刺されて感染したと推定されました。両名は別の医院を受診していましたが、発症日から感染は同時期と考えられました。両名が行動をともにしたのは学校と修学旅行のみでしたが、修学旅行では同じ班で行動していました。2名以外の学校関係者には、デング熱の患者は確認されていません。両名とも判定までに3つの医療機関を受診し、デング熱と診断され入院しましたが、すぐに回復しました。
イカリ消毒株式会社 取締役・一般財団法人 環境文化創造研究所 理事谷川力
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