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Wed

11/25

2020

被災地を忘れない(35)東日本大震災2か月後の「備える薬剤」

 宮城県気仙沼市唐桑(からくわ)町の避難所の衛生環境調査のあと、地元の災害対策本部への提案書をまとめました。ノロウイルス対策として避難所共通で備えるもののなかに、掃除に必要な紙モップとともに、吐物が床に落ちたときに消毒するための次亜塩素酸ナトリウム溶液500ccを入れました。ノロウイルスを不活性化させるためには、次亜塩素酸ナトリウム0.1%(1000ppm)以上の濃度が必要になります。
 たとえば5%濃度の製品であれば、50倍に希釈して使用します。仮に、500ccのペットボトルを使用すると、500cc弱の水に約10cc(キャップ2杯分)の次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えてつくることができます。台所用の漂白剤にも同様の濃度で次亜塩素酸ナトリウムが含まれていて、消毒に使用することが可能です。
 現在、新型コロナウイルス対応で、物品の消毒について有効な薬剤などが独立行政法人製品評価技術基盤機構から発表されています。アルコール(60~95%)、熱水、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水とともに、身近に手に入る台所用洗剤、住宅・家具用洗剤が挙げられています。たとえば、食器洗いの洗剤に含まれる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどは、100倍に希釈し、きれいな布などに浸してから拭くとよいでしょう。

一般財団法人 日本環境衛生センター 技術調査役(環境衛生分野担当)中臣昌広

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