- 日替わりコラム
Thu
11/26
2020
アルコール依存症や薬物依存症、ギャンブル依存症など、特定の物質や行動・プロセスなどに対して、精神的にも身体的にも依存する状態に陥いる「依存症」ですが、他人に迷惑をかけなければ問題はないのではないか、という考え方もあります。依存症の状態にあることによって本人や家族が苦痛を感じている場合、また、経済的な問題などで日常生活を営むことが困難になっている場合には、当然すぐに改善が必要な状態だと判断できますが、経済的に余裕があるようなケースではこれらの問題が顕在化せず、本人や家族が依存症に気づいていなかったり、依存症を疑っても治療の必要性を感じないといったこともあります。
依存症になるのは、アルコールや薬物などの依存対象物質の摂取やギャンブルなどの依存対象行為を行うことによって、脳内に快楽物質が放出されて快感・喜びにつながり、これを繰り返すことにより、快感や喜びを求める回路が脳内に出来上がるからだと考えられています。結果として依存行動を止めることが困難になり、家族や周辺との軋轢を起こし、仕事を失い、体調を崩すようなことになります。多くの人は金銭的にも行き詰まりますが、たとえ経済的に余裕があっても本人や家族の健全な社会生活に悪影響を及ぼすことになります。それを避けるためにも、依存症の予防や早期の治療が重要です。
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